
大きな入道雲をたたえる大島を眺めれば、聞こえてくる海のさざなみと蝉時雨。夏の頃にはその名のとおり「夏が停泊している」ような長閑な感覚を覚える夏泊半島。津軽半島と下北半島に挟まれ、陸奥湾の真ん中にひょっこり顔を出したような小さな半島で、県道9号夏泊公園線、通称「夏泊ほたてライン」が沿岸部をぐるっと結ぶ。曲がりくねった山道と、海を眺めながらひた走れる海道とが混在したコースとなっている。途中漁港を通るが、そこで青色の網が積まれた光景を目にする。平内町は日本屈指の養殖ホタテの水揚げを誇っており、網はその漁で使用するもの。陸奥湾のミネラルたっぷりの水で育ったホタテを食べて、一気に駆け抜けるのも楽しい。